一人ユニコーン時代とMulmoCast:AIが変えるスタートアップの形(2025年6月10日)

今週の「週刊 Life is beautiful」では、一人ユニコーンの時代というテーマが取り上げられていた。AIの進化によってエンジニアの生産性が3倍になり、昔なら数十人規模で必要だった開発が2.5人で実現できるという話は象徴的だ。

中島聡氏が開発しているMulmoCastもまさにその流れにある。

プロジェクトをオープンソースで進めている背景として、過去にUIEvolutionのUIEngineをGoogleに売り込む際にオープンソース化を拒否して破談となった経験が語られており、今回は最初からオープンにすることでエコシステムを広げる狙いがあるという。資金調達を行わず、メルマガ収入をベースに開発を進めるスタイルもユニークで、VC依存のスタートアップとは違う戦い方を示していると感じた。

また、Vue.jsのコントリビューターAnthony Fuとの交流エピソードも印象的だった。UIをReactで進めるかVueで進めるか迷う中で、世界的エンジニアと直接やり取りしながら方針を決める過程は、オープンソースならではの柔軟さを感じさせる。今回の号ではほかにも、ホンダのEV販売動向やサム・アルトマンのAGIタイムライン、TSMCの1.4nmプロセス計画、アメリカ社会での言葉のタブーなど幅広い話題が紹介されていた。中でもサム・アルトマンが「AI能力の急成長はあと5年続く」と語った点は、AI関連投資の長期トレンドを考えるうえで頭に入れておきたい内容だと思う。

AIネイティブ組織の登場、オープンソースの広がり、VC非依存モデルという3つの要素は、今後のスタートアップ環境や投資先選定において重要なキーワードになりそうだ。


まとめ(重要キーワード)

  • 一人ユニコーン:少人数で巨大価値を生む可能性
  • MulmoCast:オープンソースで進むAIネイティブ開発
  • VC非依存モデル:メルマガ収益を軸にした持続的運営
  • AI成長トレンド:5年間続く急成長を見据えた投資視点

コメント

タイトルとURLをコピーしました